なぜ、採用サイト/ページは社員インタビューで溢れているのか

最近、知り合いと「ほとんどの会社の採用サイト/ページが、差別化できていない」という話をした。

社内の環境や制度、代表メッセージ、社員の年齢・性別などのデータ、活躍している社員のインタビュー。どの会社もみな同じようなものが並んでいる。雑談的に「どうすれば良いんだろうねー」と話していたが、掲載する情報の質を変えると面白いのではと思った。

僕が転職者なら教えて欲しいこと

仮に僕が転職する立場だったら、現状の採用サイトや求人サイト、転職口コミサイトの情報だけでは、会社のことがわからず、転職に踏み切れないと思う。

企業の採用サイトや求人情報サイトには、よく社員のインタビューが載っている。ただ、彼らには良いことを言わなきゃ・・という力学が働くので、どうしても宣伝臭くなってしまう。そもそも、いま所属している社員の声だけだと生存バイアスが働いてしまうので

・内定は貰ったが、他社を選んだ人の声
・最近、辞めた社員の声
・一緒に働くお客さんやパートナーからの声

まで載せてもらった上で意思決定できると嬉しい。少なくとも、提供しているサービスの満足度や継続率、加えて社員の離職率は教えてもらえるとありがたい。

※ちなみに転職口コミサイトは、Amazonのレビューのように不満を感じている人が書き込みやすいため、参考にしづらいと思っている。

ホントのところに触れる機会が欲しい

できるだけ、ホントの情報に触れる機会があると良い。

会社の近くの飲み屋で交わされているような「実は●●の理由で転職しようと思っている」「新しくできた●●という社内制度がとてもありがたい」といった会話や、社内チャットの雑談部屋で繰り広げられる会話など。
(この会話をした人は『入社前にChatworkの雑談部屋に入ってもらってる』と言っていた。すごい…!)

その会社にフィットできるかを確かめるために、入社前には、配属先の部署のチャットに入り、会話に加わる期間があっても良いかもしれない。全社総会に呼んでもらうというのも一つの手段だろう。

もちろん、秘密保持的な話があるのは重々承知の上で、求職者視点で欲しい情報を考えてみる余地はまだまだありそうだ。

テクノロジーがフラットな情報を流通させる

ちなみにマーケティングで近しいことを考えてみると、導入事例が例に挙げやすい。導入事例は、導入した100社のうち、5社が満足・95社が不満足でも、満足した5社を取り上げれば良いサービスに見えてしまう。

これも生存バイアスが強くかかってしまう例。誠実に情報発信するのであれば、プロジェクトの成功率と、不満足な会社の事例も載せた方が良いとなるけど、普通に考えればそんなことをする企業はないw

導入事例の話も、採用サイトの話も、性善説では解決されないと思うので、いつの日かテクノロジーが解決策を提供してくれることを期待している。

※編集に協力してくれた小山和之に感謝します

成果の出てる会社にいったい何があるというんですか?

最近とある打ち合わせで、どんな企業がBtoBマーケティングで成果が上げているのか、どんな施策がうまくいってるのか、どんなマーケティングシナリオを組めば良いのか、などを矢継ぎ早に質問されたことがあった。

その時は具体例でいろいろ回答していたのだけど、抽象化して考えると、成果を出せている会社の特徴は『ちゃんと物事が進んでるか』に尽きる気がしたので、その理由を書いてみる。

マーケティング活動の成果が出てない会社の特徴

これまで、実際にプロジェクト化した会社だけでも50社以上、プロジェクト化せずに相談だけも含めると数百社のBtoBマーケティングの現場を見聞きしてきたけど、マーケティングに苦戦している(=成果を出したいと思っているが、成果が出ていない)会社の傾向ははっきりしていて、

  • 目標を決められていない
  • 基本的な数字を把握できていない
    (Google Analyticsや問い合わせ数、商談後受注率など)
  • 施策を検討したり、進捗確認をしたり、振り返りをする定例会を持てていない
  • 「○○をやりたい」が積み重なっていて、施策が実行できていない

という感じ。よく業界の人が『ツールを導入しても運用に乗らない。日本にはマーケターが足りない!』と言ってるけど、もっとそもそものところで悩まれている印象だった。

マーケティング活動の成果が出ている会社の特徴

逆に、成果が出ている会社の特徴はシンプルで

・目標を決められている
・基本的な数字が把握できている
・施策を検討したり、進捗確認をしたり、振り返りをする定例会を持てている
・「○○をやりたい」が出てきた時に施策が実行できている
(ノウハウやリソースが足りない場合は、対策を考え、やる/やらないの意思決定をしている)

という感じ。天才的なマーケターやデザイナーがいて、彼らの天才的なアイデアのもとに、スーパースターな実行者がいて、成果を出していたのではおそらくなさそうだった。

基本的な理屈は、貯蓄やダイエットと同じでは

お金を貯めるコツは収入以下の支出で暮らすことだし、痩せるコツは食べすぎないことと運動すること。

巻くだけダイエットや豆乳ダイエット、骨盤ダイエットなどの流行のダイエット手法に精通しているかよりも、『毎日ちゃんと体重計に乗っていること』の方が決定的に大切で、一言で言うと『規則正しく生活しましょう!』に尽きると思う。

マーケティングも一緒で、最新のテクノロジーや概念(Account Based Marketingとかインフルエンサーマーケティングとか)に精通するから成果が出るのではなく、日々ちゃんとプロジェクトが進んでいるから成果が出るのだと思う。

ちゃんと物事が進んでいれば、たまたまナイスアイデアを思いつくかもしれないし、思わぬ社会トレンドに乗れるかもしれないし、偶然のチカラを借りて、施策が大ヒットしちゃうかもしれない。

まずもって、『目標を決めて、基本的な数字を定期的に把握し、みんなで知恵を出し合って日々試行錯誤する』ことは、マーケティング活動で成果を出すために何よりも大切な要件ではないだろうか。最近はそのあたりを意識しながらプロジェクトに関わらせてもらっている。

そんな当社も採用が一向に進んでない課題があったんだけど、なぜなら、適当な目標しか立ててないし、実行してないし、振り返りなんて尚の事してないからだと気づいた(笑)

このブログの運営も適当だったので、もう少しちゃんと運営したいと思って、まずはGoogle Analyticsの数字が定期的にSlackに飛ぶように設定してみたw

BtoB企業における、外部CMO・マーケティングマネージャーという選択肢

『プロダクトには自信があるんだけど、マーケが弱くて・・』

そんなご相談をいただき、いくつかのBtoBベンチャー・スタートアップの外部CMO・マーケティングマネージャー的な立ち位置をさせてもらっている。

やりながら気づいたのは、社内にノウハウがない時の解決策として、外部CFOや外部CTO/技術顧問はよく聞くけど、「外部CMO」ってあまり聞いたことがない(ちょうど先日、「資生堂から独立 CMOのシェアリングサービス開始」といったニュースが出ていたけど)。しかしながら、この役割は事業を伸ばすために有効だと思ったので、専門領域であるBtoBに絞って、「なぜ、外部CMO・マーケティングマネージャーが必要なのか」を書いてみた。

マーケティングリソースを割けないBtoB企業

BtoBのベンチャー・スタートアップ企業でマーケティングリソースが豊富なことはほとんどない。多くの企業は、開発か営業の人員を手厚く採用するので、マーケティングは営業が兼務していたり、社内の何でも屋さん的な人が広報を含めやっているケースが多い。

結果として、顧客開拓の施策はテレアポとリスティング広告と年に数回の展示会のみ。メディアでよく見かけるMA(Marketing Automation)やコンテンツマーケティングに取り組もうとしても、リソースが足りず、運用に乗らない。とかがよくあるパターン。

一方、顧客の情報行動・購買行動は明らかに変化している

そんな企業側の都合とは関係なく、Corporate Executive Boardの「BtoB市場において、顧客は業者と初めて接触する時点で、購買プロセスの57%を既に終えている」などの調査を持ち出すまでもなく、いまや情報行動・購買行動の主導権は顧客が握っている。

マーケティングの世界では、“Self-Educating Buyers”なんて言うけど、今の時代、顧客自らが、PCやスマホで情報を調べたり、信頼できる第三者におすすめを聞いたりして、どの製品・サービスを導入するかを決めている。営業や社内の何でも屋さん的な人が、片手間にマーケティング業務をしている企業の製品・サービスは、当然、顧客の検討プロセスに入りづらく、機会損失は避けられない。

提供されるサービスのドーナツ化現象と中心を担う外部CMO

そこで、「マーケターを採用しよう!」、「外注パートナーを探そう!」と思っても、次なる障壁が登場する。

転職市場を見たときに、そもそもBtoBマーケティングの経験者が少ないし、ほとんどのマーケターはtoCのサービスに行きがち。クックパッドやコカ・コーラ、ディズニーのマーケをやりたい人はたくさんいても、勤怠管理システムや給与計算ソフトのマーケをやりたい人は少ないだろう(個人的には、断然、後者をやりたいけどw)。

また、外部の業者に発注しようにも、世の中に流通している製品・サービスはこんな状態になっている。

勝手に「提供されるサービスのドーナツ化現象」と呼んでるけど、広告代理店から調査会社、SEOやコンテンツマーケ業者、MAや解析系のツールベンダーなど、ドーナツの外側を提供してくれる会社は世の中にたくさんある。

しかしながら、お菓子のドーナツと違って、ビジネスの世界では真ん中も大切。ドーナツの真ん中にいて、戦略立案から社内の体制作り、ベンダー選定、日々のPDCA推進まで、パワフルに実行できる存在がいるかどうかで出せる成果は大きく変わる。そんな人材がプロジェクト内にいれば、高度化・多様化するサービスやツールのポテンシャルを引き出しながら、成果を最大化できるだろう。

マーケティング活動におけるすべての役割を社外の人がやれるとは思わないけど、社外CFO、社外CTO的に、一部の役割を外部に求めることはできるし、外部の優秀な人材にアクセスしやすくなっている現代、一つの有効な選択肢だと思う。

そして、冒頭に『プロダクトには自信があるんだけど、マーケが弱くて・・』と書いたけど、世の中にはすごい製品・サービスがたくさんあって、それらを作っている人たちとの仕事は、脳に刺激をもらえて楽しい。外部CMO・マーケティングマネージャーとして活動する側としても、自分が良いと思う製品・サービスを拡めながら、楽しく仕事がしたいニーズは結構あると思うので、今後、一般的な役割になるんじゃないかと予想している。

当社で一緒に働いていただける方を募集しています。

不幸せにはならない職場

いま会社で採用を進めていて、人生の5~10%を投下してもらうわけなので、責任重大というか、できる限り最高の環境を作りたいなーといろいろと考えていたのだけど、良い環境や職場って、出現確率がとても低いし、定義が人それぞれで、目標として捉え所がないなーと悩んでいた。

そんな時、ナシーム・ニコラス・タレブの『ブラック・スワンの箴言』を読んでいて、こんな一節に出会った。

幸せについて:私たちは何が幸せかわからないし、どうやって幸せを測ればいいかわからないし、どうすれば幸せに手が届くかもわからない。でも私たちは、どうすれば不幸せを避けられるかとてもよく知っている。

たしかに、自分自身も幸せかどうかはわからないしw、どうすればもっと幸せになるのかもわからないけど、不幸せでないことは確か。
自分の周りも、心から幸せそうな人も珍しいけどw、不幸そうな人もほとんどいなくて、みんなそれぞれにやりくりしながら、前に進んでるなぁーという印象。タレブが言うように、幸せを目指すことは難しいけど、不幸せを避けることは簡単かもしれない。

翻って、経営者として、最高の環境・幸せな職場を作ろうとする前に、最低限、不幸せにしないことが大切そうで、それはいますぐに実行できるのではと思った。

そこで、『私たちは、どうすれば不幸せを避けられるかとてもよく知っている。』前提に立ち、自分がいまどこかの会社に転職するという仮定で、こんな基準で職場を選べば不幸せを避けられそうだな、という点をまとめてみた。

1.仕事に意義を見いだせるか

目的や意味を感じられれば、毎日、前向きに出社できる。一方、仕事に意義を見い出せないのであれば、速攻で疲弊しそうw

2.生活がカツカツにならない給与が出るか

旅行に行ける、飲み会に行ける、適度に買い物ができる、将来への貯蓄ができる。最低限そこは死守したい。

3.長期間、長時間働くことがないか

短期間、長時間働くのは文化祭みたいで楽しいけど、長期間、長時間働くとQOLが下がってしまう。遊びにも行きづらく、家族・友人関係にも悪影響が出るだろう。バランスの良い労働時間で、オプショナルに長時間働くことを選べるのが最高。

4.休みたい時に休みが取れるか

友だちに旅行に誘われた、親友の結婚式、年に1度の結婚記念日(結婚してないけど)。そんな時に、スムーズに休みが取れないとストレスが溜まりそう。

5.社内コミュニケーションが多いか

喋る量が少ないと、ウサギじゃなくても、普通に寂しくなる。職場の仲間同士、適切にコミュニケーションが交わされている会社や部署を選びたい。

6.怒鳴る、ツメる文化ではないか

極度のM気質でない限り、怒鳴られたり、ツメられたりして楽しい人はいない。人間、常に完璧にはいられないから、なるべく穏やかな人たちに囲まれていたい。

7.事業が右肩上がりか

停滞している事業はチーム内の雰囲気が暗くなりがち。多少忙しくても、右肩上がりの場所に身を置いた方が前向きに過ごせるだろう。

8.満員電車に長時間揺られなくても通えるか

トータル2年ぐらい、満員電車で1時間弱の通勤をしたことがあったけど、あれは普通にキツかった。。

並べて見てみると、これら(たった8個!)が守られていれば、心から幸せになれるかはわからないけど、まぁ楽しくはやっていけそう。逆に、これらが守られてないと長くは続かないのかもしれない。

書きながら、「最低限不幸せにしない × 自分たち独自の楽しい状態を作れるように試行錯誤する」が、最高の職場を作るカギな気がしたので、「最低限不幸せにしない」を死守しながら、いろいろ僕ららしい打ち手も考えていきたい。

ブログ運営を見直したら書きたい記事が溢れ出るようになった

いままでMediumでバラバラと記事を書いていたのを、ブログを立ち上げて、本格的に運営するにあたり、ブログタイトルで「メタゲーム」と謳っているので、日々ちゃんと記事を書くのはもちろん、メタな視点に立って、ちゃんと記事が書かれていくシステムを作ろうと考えた。 “ブログ運営を見直したら書きたい記事が溢れ出るようになった” の続きを読む

『場所』からはじめよ

昨年バリ島にある世界的に有名なコワーキングスペースHubudに行った時にこんな席があった。

ここに訪れて思ったのは、ここで書く文章と、例えば、東京のど真ん中・丸の内で書く文章は、同じことを書こうとしても表出する文体や雰囲気は変わらざるを得ないだろうな、ということ。 “『場所』からはじめよ” の続きを読む

限りなくお茶に近いディスカッション

仕事の話をするのが大好きで、前職では同僚と数人でバリ島に行き、海辺とホテルとテラス席で延々、それぞれの事業をどうしていくかや仕事上の気づきを話し合ったり、年末に他社の仕事好きの知り合いを誘って合宿に行き、このフレームワークに沿って1年の振り返りをやったり、1月2日から友達のタワマンに乗り込んで新規事業のネタをディスカッションしたりしていた。 “限りなくお茶に近いディスカッション” の続きを読む

マーケティングコンサルタントが経営の視点を持ったら

企業のマーケティングコンサルをしている中で「事例コンテンツを作りたい」という相談を結構な頻度でいただく。BtoBでは特に導入事例が有効な場合が多いので、昔は「いいですね!」と言って、おすすめの作り方や魅せ方を提案していた。 “マーケティングコンサルタントが経営の視点を持ったら” の続きを読む

新しい時代のビジネスパーソンは誰をベンチマークすべきか

「個の時代」になっていくと言われ、個の才能にお金や機会が集中し始めていますが、我々のような法人企業、ビジネスパーソンは新しい時代において、具体的にどう行動していくのが時代の流れにマッチするのでしょうか。 “新しい時代のビジネスパーソンは誰をベンチマークすべきか” の続きを読む