Indeedから考える、顧客の論理を優先するBtoBマーケティング


最近、身の回りでIndeedを使っている人の話を聞く機会が増えている。

Indeedは求人情報を一括で検索できるサービス。マイナビやタウンワーク等の求人情報サイト、企業の採用ページなどに掲載された求人情報を一括で検索できる。求人情報に特化したGoogleというとわかりやすいだろう。

世界最大の掲載求人数を誇り、ビジネスモデル上、SEOが驚異的に強い(そのあたりはこの解説が参考になる)。ただIndeedについて特筆すべきは、ユーザーにとっての利便性の高さだろう。

圧倒的にユーザー視点で便利な『Indeed』

一般的な求人サイトは会員登録しなければ詳細情報が見れないものが多い。登録しても、自分に合う企業が、登録したサイトに求人情報を掲載しているとは限らない。そのため複数のサイトに登録して、複数の場所で情報を探す手間が発生する。

求人サイトへ掲載していない企業に至っては、名前を知らない限りは接触機会さえ持つことができない。

一方、Indeedは会員登録も不要で、さまざまな求人サイトに掲載されている求人情報を一括で検索できる。

ユーザーは、求人サイトを探し、登録、巡回する手間が省け、1カ所で全てを済ませられるという、圧倒的な利便性を享受することができるのだ。

インターネットの登場により、個人が力を手にした。今後も、個の力は増す一方なので、あらゆる領域において、サービス提供者側の論理ではなく、受益者側の論理で一番だと思われるものが選ばれる時代になっている。

つまり、企業の論理ではなく、顧客の論理こそが最優先される時代。この文脈において、Indeedは顧客の論理で設計された素晴らしいサービスだと思う。

BtoBマーケティングも、企業の論理ではなく顧客の論理へ

翻って、我が専門のBtoBマーケティングを見てみると、まだまだ企業の論理が強く残っている。

企業のWebサイトに価格が載っていることは稀で、カタログやホワイトペーパーをダウンロードしようとすると個人情報の入力が求められる。デジタルマーケティングに関するメディアは記事を読むのに会員登録が必要なことが多いし、展示会やイベントに参加すると、名刺の献上も当たり前だ。

これらは、企業が情報を握っていた時代の名残だろう。しかし、顧客側にメリットがないやり方は今後、時代遅れになっていくのではないだろうか——。

このご時世、検索して出てこない情報は、それほど多くはない。個人情報を入力し、インサイドセールスから電話がかかってくる手間を負担してまで、情報を取得しようとする顧客は少なくなっていくだろう。

もちろんビジネス上の都合で、個人情報の取得が必要なのは理解できる。ただ、それが生き残るための原資になっている企業は、Indeedのような次世代のサービスが出てきたときに、一気に乗り換えられる可能性を内包していると思う。

顧客中心のBtoBマーケティングへ

ユーザーにとって利便性の高い場所に人が集まる。これは世の常だ。

Indeedのように顧客の論理でBtoB企業のサイトを設計するなら、個人情報を獲得して顧客を囲い込む発想を捨て、とにかく情報をオープンにし、価格も明示し、ホワイトペーパーも自由にダウンロードさせた方が良い。競合との比較情報も、できる限りフラットに載せておくと良いだろう。

例えば、当社も依頼しているAZX総合法律事務所では、契約書類の雛形をWebサイト上にアップし、個人情報の登録も必要なく、自由にアクセスできるようにしている。顧問として関わりのある企業か否かに関わらず、本来有料で作成してもらうような書類を活用できるのだ。

当社も現在コーポレートサイトのリニューアルを進めているけれども、従来のBtoBマーケティングで大切だとされてきた、リード獲得/育成のフレームワークを全く参考にしないサイトを作りたいと考えている。PVやリード獲得数などのKPIは企業側の論理なので、顧客にとって何が利便性が高いかを徹底的に考え、自分たちのマーケティングを設計していきたい。

※編集に協力してくれた小山和之に感謝します