マーケティングコンサルタントが
経営の視点を持ったら


企業のマーケティングコンサルをしている中で「事例コンテンツを作りたい」という相談を結構な頻度でいただく。BtoBでは特に導入事例が有効な場合が多いので、昔は「いいですね!」と言って、おすすめの作り方や魅せ方を提案していた。

しかしながら、自分で会社を経営するようになって、また、仕事柄たくさんの経営者に会うようになって、当たり前なんだけど、個人に個性や性格があるように、法人にも個性や性格が明確にあって、法人においても個性や性格を大切にしながら戦略や戦術、日々のオペレーションを組み立てた方が良い、ということを学んだ。

今までは企業の個性や性格はあまり考えず、(B)の立ち位置から最適だと思う戦略や施策を提案していたのが、いまは(A)の立ち位置から、会社のエネルギーの源泉である「想い」や「価値観」を捉えて戦略や施策を提案するようになって、結果として、自分も含めて関わる人が楽しいプロジェクトになり、物事がスピーディーに進み、成果も出やすくなった。

一例として、冒頭の「事例コンテンツ」を(A)の立ち位置から捉え直すと、お客さんと中長期的なパートナーシップを築きたい企業であれば、お客さんが一人で話しているよりも、以下の事例のような担当者とお客さんが一緒に話している構図にした方が魅せ方としては適切だろう。

http://www.unitone.co.jp/case1

一方、なによりも、最高の製品・サービスを開発して、お客さんに感動を届けたい企業であれば、お客さんを中心にして、製品・サービスを使っていかに感動したか、素晴らしい体験ができたかを表現すると良いかもしれない。

https://www.salesforce.com/jp/customers/stories/toyota-shokki.jsp

さらに、高品質の製品・サービスを安価に提供し、より多くのお客さんにインフラのように使ってもらいたい企業は、対談形式でも、お客さんの感動を表現する動画でもなく、一つひとつは短くても、とにかく様々な業種・業態・規模に数多く導入されていることが伝わるようにした方が良い。

https://yoyaku-package.com/works/

上記は「お客さんとどのようなコミュニケーションを取りたいか」からざっくり考えただけだけど、実際はもっと細かく、企業の「想い」や「ビジョン」、「価値観」を念頭に置きつつ、コンテンツの構成や届け方を考えていく。

ともすると、有名な企業のロゴを並べて、動画でリッチに表現して、とにかく数を増やす、みたいなHowやベストプラクティスの議論になりがちだけど、その企業が「どういうお客さんに、何を伝え、どんな関係性を築きたいと思っているか」を理解しないことには本質的に意味のある提案は難しい。

逆に、企業の根幹にあたる部分を理解してマーケティングの戦略や施策を発想・実行できれば、企業はそのプロセスを通じて「根幹」に対するフィードバックが得られ、経営や事業が前に進んでいく。

ほんの少し視点を変えるだけで創業の想いや実現したい世界、価値観を共に具現化・進化させていくパートナーになれるし、それは社会に貢献するかなり良い方法だと思う。

※執筆協力してくれた村上一歩に感謝します。