なぜサイルをやっているのか


先日お会いした方からタイトルの質問をされて、改めて整理し、表現しておきたいと思ったので書いてみる。

株式会社才流(SAIRU)は”才能を流通させる”というミッションを掲げ、個人の潜在能力がもっと発揮され、世の中に流通していく仕組みを作っている。

背景にある想いはミッションステートメントにまとめている。

私たちは一人ひとりがかけがえのない広大な才能を持っていると信じています。 世の中には気づかれていないだけで埋もれている才能、発揮できていない個性がたくさんあります。 私たちは、才能に出会う機会を提供することで、一人ひとりの才能が発揮される社会の仕組みを作ります。
一人ひとりの才能が社会に流通すれば、助けられる人が増え、 新しいことが今まで以上のスピードで生まれ、社会は発展していきます。私たちはあなたの才能を流通させる企業、才流です。

この「才能を流通させる」ことこそ、人類への貢献という観点でこれ以上ない、レバレッジポイントだと思っている。人類の潜在能力がいまよりもっと発揮されれば、創造性や問題解決能力は高まり、今まで以上のスピードで社会は発展し、いち早く最大多数の最大幸福が実現する。

ある1つの革新的なテクノロジーを開発して人類に貢献するよりも、革新的なテクノロジーを開発できる人たちを増やす仕組みを作ることで人類に貢献していきたい。

なぜ、才能を流通させたいと思ったのか

おそらく原体験的なものは家庭環境に遡る。

父親は生まれる前に離婚していなかったし、母親は7歳の時にガンで亡くなっていて、ずっと祖父祖母に育てられている。さらに幸か不幸か、当時の小学校の同級生の中でひとりっ子だったのは自分だけだった。

ただでさえ両親がいないのに、兄弟までいないと本当に休みの日にやることがなく、一人で遊ぶしかなかった。家族と旅行に行ったり、兄弟と遊ぶ、といった当たり前のことができなくて、僕自身の人格や努力とは一切関係ないところで、この状況が作り出されていて、兄弟で遊びたいと思っても、「(構造的に)どうしようもないな・・・」と強く思っていた。

そして、もう1つ決定的だったのが中学受験をした時のこと。

当時から意識高い系小学生だったので、私立の中学に行った方が将来活躍する確率が高まりそうだな・・と思って自ら志願して(祖父母には孫を私立に通わせたい!みたいなのが全くなかったので)小学校6年生から塾に通い始めた。

そこで塾の先生に最初に言われたのは、開成や灘、筑駒などのトップ校を受ける人たちは小学4年生や5年生から塾に通っていて、小学生6年生からだとそれより20ぐらい偏差値が低い学校しか行けないよ、という話。

スタート前から出鼻をくじかれたことにもめげず、いま思い返しても天才的な勉強プランで、天才的に勉強したけど、やはり超トップ校からは偏差値でいうとマイナス7、8ぐらい離れた中学に受かるのがやっとだった。

ここでも、勝負がスタートする前のメタゲームで勝負が決まってしまい、メタゲームで負けると、その人がどんなに善意を持って努力をしても願いは実りづらい、ということを身をもって痛感した。

おそらくここから、メタゲームを整えることで、より多くの人が幸せになる仕組みを作りたい、という想いが出てきたのだと思う。

才流で何を実現したいのか

非常に抽象的にいうと、善意の想いを持った人たちの才能が最高に花開く社会を作りたいと思っている。

この文脈で大好きな話があって、1920年頃のフルマラソンの世界記録と、2010年頃のトップクラスの市民ランナーの記録はほぼ同じらしい。これはつまり、食生活やトレーニング環境などの様々な外的要因が整備されたことによって、人々の潜在能力の発揮レベルが上がり、速く走りたいと思う人がものすごく速く走れるようになった、ということ。これと同様のことを才流でやりたい。

それは強い想いを持ってビジョンを実現しようとするスタートアップの経営者かもしれないし、お客さんを笑顔にしたいと思う企業の担当者かもしれないし、クリエイティブの力で世の中をより良くしたいと願うクリエイターかもしれない。

とにかく、善なる意志を持つ人たちのエネルギーが最高に発揮されるようにしたい。まだまだ世の中には、やりたいことをやれていなかったり、仲間が見つからなかったり、機会に恵まれなかったり、想いにピュアに進められてなかったりして、苦しんでいる個人やチーム、会社がたくさんある。

そういった人たちをエンパワーするために、善意を持った「個人」に向き合い、その人たちが何を実現したいのか、なぜそれを実現したいのか。「想い」や「価値観」にあたる部分を引き出し、それに共感したり、必要としてくれる人たちに出会えるようなサービスを作りたい。

そう考えると、僕らの事業はどれだけ本質的に「人」と向き合ったかでしか成長しないはずで、どれだけ多くの「人」と深く向き合えているか、向き合った先でどれだけ根源的な手を打てているかが、そのまま顧客満足度やユーザー数、売上や利益に反映されていく。

本気でミッションを実現しようと思ったら、常に関わる「人」と向き合い、それと同じぐらい「自分自身」とも向き合うことは欠かせない。

そんなことを考えて、改めて「人」や「自分自身」と向き合うために、背景にある想いと実現したいことを書いてみた。